カリモク
こんにちは。
東京リサイクル家です。
今日のテーマはカリモクです。
カリモク60家具、その中のでも最も長く作り続けられているものが「Kチェア」です。
1962年から製造/販売されていて一度も製造が中止されたことがありません。
これが当時のカタログです。若干のサイズ変更、そして使われている素材の変更はありますが、基本的に同じスタイルで60年以上も作り続けられています。
カリモク60の歴史はその主力製品である「Kチェアの歴史」と置き換えることができます。
このKチェア、誕生から大きく4つの転機を経験しています。
第一の転機:【誕生】(1962年)
当時の作業風景
カリモク(当時:「刈谷木工」)は当時それまで、輸出向け家具部品の製造/販売をしていました。
そして丁度その時代日本は戦後最大の高度成長期の真っただ中です。
また1ドル340円、円安時代です。そんな中、日本独自の高い技術を持つ会社の輸出というのは大幅に利益を延ばしました。
カリモクも例外ではなかっと思います。
ですが、経営者はこれからは日本が豊かになり、それまでの日本国内にはびこる粗悪品では我慢できない消費者が「ほんものでいいもの」を望む時代が来るだろうと予見しました。
そして、それまで培ってきた高い木工加工技術があるという従業員の自信が「カリモクという 独自の国内家具ブランド」を作りたいという気運をいっきに社内に広めました。
そしてカリモクからの最初の家具として「Kチェア」が誕生しました。
第二の転機:【繁栄】(1960年代~1970年代)
この時代から使われているKチェア(三重県鳥羽市)
1960年代後半には、日本は「総中流社会」と呼ばれ、どの家庭にもある程度の冨が分配されるよになり、それまでの床の生活から欧米のように「ソファに座る」という生活へと変化していきました。
その当時、ソファと言えば「別注」がほとんどで、椅子職人が個別のものをオーダーメイドで作るというのが普通でした。
当然、オーダーメイドなのでその価格はとても高いものでした。
そんな時、カリモクは一般家庭にも手に届く価格で高品質、そして欧米のスタイルを取り入れた斬新な椅子「Kチェア」を世に送り込みました。
一世を風靡する程売れたと言います。生産が追いつかず、夜も寝ずに生産したそうです。
第三の転機:【低迷】(1980年代~1990年代)
生活スタイルが欧米風になるにつれて、各家具会社も消費者に合うような様々なスタイルのソファを発表しました。
それに合わせて、カリモクもKチェアに加え、様々なスタイルのソファを発表していきました。
また、消費者の中にも時代と共に様々な生活スタイルが生まれ、様々なスタイルのソファを求めるようなりました。
そんな中、Kチェアの売上は相対的にどんどん小さくなっていきました。
以前はカタログの中心にあったKチェアもだんだん隅の方へと追いやられて行きました。
第四の転機:【復興】(2002年~)
ナガオカケンメイさん
2002年にKチェアに大きな転機が巡ってきました。
東京で「Long Life Design」(ロングライフデザイン)のものだけを扱いヒットを遂げたD & Departmentストアを主宰するデザイナーのナガオカケンメイさん の協力のもとカリモク家具販売が「カリモク60」というブランドを立ち上げたのです。
このブランドのもと新しい商品を開発するのではなく、それまであったカリモクの商品の中でこれから先もずっと変わらない、そしてたとて使い手(消費者)の生活スタイルが変化したとしても、ずっとそばに居続けることのできる商品だけを集めたブランドなのです。
そのブランドの筆頭となったのが1962年生まれで現在まで作り続けられている「Kチェア」、そして時を同じくてして1968年に生まれ現在でも作り続けられている「ロビーチェア」だったのです。
そして、時代と共に消えて行ったカリモクブランドの中で普遍的に生き続けることができる商品だけをピックアップして、カリモク60ブランドのために復刻させ追加しました。復刻させた主商品は以下です。
![]() カフェチェア (1993年廃盤) | ![]() リヴィングテーブル (1973年廃盤) | ![]() サイドボード (1979年廃盤) | ![]() Dチェア (1973年廃盤) |
![]() フレームチェア (1975年廃盤) |
復刻ではないもの(ずっと作り続けられていてカリモク60ブランドになったもの)
![]() Kチェア (1962年誕生) | ![]() ロビーチェア (1968年誕生) | ![]() スリーピングソファ (1969年誕生) | ![]() オットマン (1968年誕生) |
カリモク60+はカリモク60のDNAを受け継いデザインで現代生活にマッチしたアイテムとして2002年以降に開発/販売開始されました。
カリモク60はソファ中心ですが、「それだけだとお部屋のインテリアが成り立たない」。
そんなお客様からのご要望を受け、新しく開発したものです。
現在までのカリモク60+の主なラインナップは以下となります。
![]() Dテーブル (2004年誕生) | ![]() ダイニングチェア (2005年誕生) | ![]() ダイニングテーブル (2005年誕生) | ![]() TVボード (2007年誕生) |
![]() コーナーボード (2005年誕生) | ![]() スタンドミラー (2007年誕生) | ![]() カップボード (2007年誕生) | ![]() サイドボード (2007年誕生) |
![]() スタッキングスツール (2008年誕生) | ![]() デスク (2009年誕生) | ![]() チェスト (2009年誕生) | ![]() シェルフ (2009年誕生) |
![]() メーキャップミラー (2009年誕生) | ![]() カフェテーブル (2009年誕生) | ![]() アームレスダイニングチェア� (2009年誕生) | ![]() ローボード (2010年誕生) |
![]() ローテーブル (2010年誕生) | ![]() キャビネット (2010年誕生) | ![]() オープントップキャビネット (2010年誕生) | ![]() ガラストップキャビネット (2010年誕生) |
![]() マガジンラック (2011年誕生) | ![]() ライティングチェスト (2011年誕生) |
カリモク60ビーチ材仕様
2014年には多くのお客様様からのご要望にお答えするために「ビーチ材」(ブナ材)を主材とする新しいラインナップが加わりました。
お客様がインテリアに求めるニーズがナチュラル志向に変化してきたため、スタイルはそのままに、薄い色の材を使用した少し高級感のある仕様です。